みなさん、こんにちは!
IAIR関西支部認定インストラクターの岡本侑也です。
あー。寒い。
そんな気候が続いていますね。
寒いと利用者さんからこんな訴えが増えます。
「体が硬くなった気がする。」 、 「夜になったら足が良くつるんです。」 、 「なんかしんどい。」
これらはどれも血流に原因があるケースが多いです。
恒温動物である人間ですが、少なからず外気の温度の影響も受けます。
外が寒いと特に末梢の血管は収縮し、筋への血流を阻害しているのです。
血流と言うと、心臓の収縮によって全身に血液を送り、筋のポンプ作用によって再び心臓に血液を返すことで生まれています。
しかし、末梢血管が寒さによって収縮していると、筋は緊張状態が続き血液を心臓に戻しにくくなります。
そうすると心臓は頑張って、より血液を送り出すことで血流を維持しようとするのです。
これは、冬場に心臓の病気や脳血管障害が増える理由の1つと言えるでしょう。
そんな頑張り屋な心臓なのに、今まで筋肉痛になった経験をしたことがありません。
皆さんはどうですか?
・・・ありませんよね?
ある方は医者にかかることをオススメします。
では、なぜ心臓は筋肉で出来ているのに筋肉痛にならないのでしょうか?
その理由は・・・
心臓には心筋であり、常に求心性の収縮をしているからです。
(内臓:平滑筋にも基本筋肉痛って感じませんよね。その理由も同じです。)
筋肉痛が生じる時ってどのような時ですか?
激しいスポーツをした時、久しぶりに長距離歩いた時、腕相撲をした時etc…
これはどれも遠心性収縮を伴う運動です。
つまり、筋は収縮しているのに引き伸ばされる状況において筋繊維の損傷や断裂が起き、筋肉痛を生じるのです。
また、骨格筋と違い心筋には酸素を貯められるようになっており乳酸などの疲労誘発物質が貯まりにくいのも1つの要因です。
これらの理由によって心臓は筋肉痛にならないという訳でございます!!
・・・これを骨格筋の評価、治療に応用しましょう!
どうしても遠心性収縮は動作を行う上で必要です。
求心性の運動ばかりは、筋にも関節にも負担が大きいですし。
しかし、心臓のように疲労物質を貯めないことはできるのではないでしょうか?
心筋のように酸素は貯められませんが、それは血流を良くすることで補えます。
最初に挙げた冬場に多くなる訴えを例にして、どのような状態で、どのような治療が必要かを考えてみます。
1つ目「体が硬くなった気がする。」
これは筋収縮状態が続いたことによる筋の短縮が生じているのでは?と考えられます。ストレッチなどで筋の長さを取るのも必要ですが、その原因となっている筋の収縮状態が続いている事実を改善する必要があります。
それは寒さだったり、寝方だったり、動作方法からかもしれませんが、それを改善しなければ、同じことの繰り返しです。
2つ目「夜になったら足が良くつるんです。」
足というのは重力によって体液が貯まりやすいところです。それは通常筋が収縮、弛緩することで改善されるはずですが、それが出来ておらず、疲労誘発物質が溜まることが原因と考えます。よって、筋に緩みを取ることが必要です。
これも1つ目同様に筋が収縮状態である理由を追求し改善することが必要です。
癒着や筋硬結を診ても良いでしょう。
3つ目「なんかしんどい。」
倦怠感の原因は不眠や食生活、自律神経の乱れ、循環不全なども原因の1つです。そもそも疲労や倦怠感ってどこで感じているのでしょうか?
これは筋ではありません。脳で感じています。
脳圧は正常ですか?頭蓋骨の可動性はありますか?脳脊髄液の循環は?
これらを診て治療するのも必要でしょう。
ということで、円滑なリハビリを進めるには、疲労誘発物質を骨格筋に貯めないよう、心筋のように酸素が多い状況を作ること。
つまり、血流阻害因子を根本から取り除くことが必要です。
ご理解いただけましたでしょうか?
それではまた次回♫