イントラ岡澤の訪リハコラム第15回

~今そこにいる理由~

 

最近のコラム内容は訪問リハビリというより、

維持期に関するものが続いているので、

今回は訪問リハビリにしぼった内容にします。

 

 

訪問リハビリが病院のリハビリと違う点の1つに、

「今そこにいる理由」の違いがあります。

 

 

例えば、骨折で入院中の患者さんは、骨折をしたから入院しています。

ですので骨折に対する治療をおこない、

骨折を受傷したゆえに起きた機能障害・能力障害が改善すれば退院できます。

 

今そこにいる(入院している)理由は、

“病気や怪我をしたから”と明確で、

介入の方向性も“家に帰るため”とはっきりしています。

 

 

一方の訪問リハビリの利用者さん。

 

介入開始時はすでに在宅にいらっしゃいます。

ずっと在宅で生活しています。

今そこにいる理由は病気や怪我ではありません。

だってずっと生活してきた家ですので。

 

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(画像元:http://ganref.jp/m/kaede0712/portfolios/photo_detail/f69f1cc7169bc272380e946b4a4f4b63)

 

 

訪問リハビリの利用者さんは

病気や怪我がそこそこ良くなって帰ってきた方がたまにいる程度で、

ほとんどの方がずっと在宅で生活していた方々です。

 

既往歴といっても3年前に脳梗塞、

5年前に大腿骨頚部骨折、など、

むかしむかしにあった内容ばかり。

たまに幼少期に盲腸なんてことが書いてある情報提供書もあります。

 

なにせ病名だけが介入のきっかけになることは極めてまれです。

 

 

今そこにいる理由は病気や怪我ではないだけに、

病気やけががきっかけで起きる

機能障害が改善すれば変わるというわけでもありません。

 

 

入院のリハビリのように、

病名をみればなにをすればいいかイメージがつくってことはないわけです。

 

 

結果、なにをしていいかわからないということになります。

 

何をしていいかわからないという恐怖感は、

訪問リハビリに出たことのある人なら

ほとんどの人が一度は体験したことがあるのではないでしょうか。

(ちなみに僕は体験しましたよ。。)

 

 

全身をみれば、なにかしらの機能障害はみつかります。

痛い所はありますか?と聞けばなにか言ってくれるかもしれません。

 

しかし、

粗さがしでみつけた問題に介入しても変化はみられないでしょう。

 

 

そんなときは「今そこにいる理由」に立ち返ってみましょう。

 

 

以前のコラムにも書きましたが、

維持期に勤めていますと、普通の感覚がおかしくなってきます。

 

利用者さんの様々な現状すべてが

「まあ維持期だし、高齢者だし、こんなもんかな」という風に、

アンテナにかからなくなってしまいます。

 

 

しかし生活様式や活動範囲は急に変わるものではありません。

 

徐々に変化し、今に至っています。

 

全ての行動には理由があります。

 

そこに至ったきっかけがあります。

 

 

その生活の変化に対して、

リハビリ職だからこそできることがあるはずですよ~。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

IAIR関西支部 認定インストラクター

認定理学療法士(地域理学療法分野)

岡澤 頼宏