認定インストラクターの岡澤です。

 

先日の国際統合リハビリテーション学会では、

統合医療を僕の訪問リハビリ業務に活かせそうなヒントをみつけることができ、

とても有意義な学会でした。

 

その一部をシェアしたいと思います。

 

 

ふたりのおばあさんがいました。

 

年齢はどちらも80代。

そしてどちらも転倒し、大腿骨頚部骨折を受傷しました。

どちらも外側骨折で、ガンマネイルを施行されました。

同年代、同じような受傷。

 

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急性期であれば、クリニカルパスにのっとってリハビリは進むでしょう。

クリニカルパス上では、ふたりのリハビリはきっと同じように進むでしょう。

 

しかし生活期となるとクリニカルパスなどありません。

 

 

急性期、回復期、生活期と進むにつれて個人の要素が強く表れます。

 

今回のコラムは、

ICF的な対象者のとらえ方をわかりやすく感じることができる、

そんなふたりのお話です。

 

 

年齢、疾患名、手術いずれも似通ったふたりでしたが、

大きな違いがありました。

それは、性格。

 

 

一方のAさんはとても社交的なおばあさんでした。

80歳代独居。趣味はカラオケ。

近所のお友達と週2回はカラオケにでかけます。

そんなAさんはリハビリにもとても意欲的に取り組まれました。

徐々に回復してくる過程の中で、ADLの進め方も順調に進めることができました。

 

 

さてもう一方のBさんはというと、

熱心に介護する娘さんと二人暮らし。

外出はお医者さんへでかけるのみでした。

日ごろから、何かにつけて娘さんの介助を受けるBさんは、とても怖がりです。

骨癒合はまずまず進むものの、新たな動作練習を始めると、とても不安がる方です。

 

 

さてこんなふたりのリハビリの進め方、同じでいいでしょうか?

 

 

積極的なAさんのリハビリの進め方をBさんに当てはめると、Bさんはリハビリのことを嫌になってくるでしょう。

だってどんどん進めるリハビリは、Bさんにとっては怖いことばかりなんですから。

 

逆にBさんのリハビリのように慎重に進めると、Aさんの意欲をそぐことになりかねません。

もうこれは大丈夫だから!とAさんにせかされそうです。

 

 

これが人によって進め方が違うという具体例です。

 

 

ICFの障害モデルには個人因子が加わっています。

しかし実際どうすればいいのかというのは、わかりにくいものです。

個人因子を、具体的にリハビリの進め方に当てはめるとは、こういうことになります。

 

怖がる人に対しては、そうでない人に比べ、

獲得した動作を生活に取り入れる作業はより慎重におこなうべきでしょう。

 

 

疾患ではなく、人を見る。

 

 

そのことをより感じることができる生活期リハビリは、

「リハビリテーションは統合医療である」という証明になりうるな~と、

今回のIAIR学会に参加して、僕は個人的に感動しました。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

IAIR関西支部認定インストラクター

認定理学療法士(地域理学療法分野)

岡澤 頼宏