数年前のことですが、

息子が入院することがありました。

 

そこで経験したことが、

僕の臨床を大幅にパワーアップさせることになりました。

 

自分の子供が入院するということはとても不安な事です。

 

 

自分が医療職として勤務していても、

家族が病気で入院したときの不安は、さほど変わらないでしょう。

 

 

僕が経験した事は、その不安を大きくやわらげる事でした。

 

 

入院直後、担当の看護師さんが来て僕や嫁さんに話します。

 

 

その内容は、

「今子供さんは~の状態です。」

「検査の結果、~という状態だという事がわかりました。」

「まずは~という治療をおこないます。」

「効果がみられたら~へと進みます。」

「もし効果がなければ~をおこないます。」

という説明でした。

 

 

この説明は、僕の不安をかなりやわらげました。

 

 

僕の不安は、

「今息子はどんな状態なんだろう。」

「これからどんな治療をするんだろう。」

ということから生じていました。

 

 

その看護師さんの説明は、

僕の不安をやわらげるには十分なものでした。

 

 

その経験を経て、

僕は自分のリハビリを振り返って気付いたのです。

 

 

リハビリを開始するとき患者さんに言ってしまいがちなセリフ、

「とりあえずやってみましょか」をいかに使っていたかを。

 

これって、状況の説明の対極にあるものじゃないかなってことに気付いたのです。

 

リハビリを開始する事になった患者さんは、

きっと息子が入院した僕と同じように

不安を抱えているでしょう。

 

そこで「とりあえずやってみましょう」はその不安をやわらげるでしょうか?

 

おそらくやわらげることはないでしょう。

 

それから僕は「とりあえずやってみましょう」を極力使わないようにしました。

 

そのかわりに言うことにしました。

 

「これからどんなことをやっていくのか」を。

 

要するに、リハビリの計画を説明することにしたんです。

 

今あなたの身体は、~な状態です。

今の状態でも、~の手段をとれば~することができます。

今の状態では、~することは手伝っても難しいです。

~ができるようになるために、~をやっていきましょう。

 

ということをお話しするようにしました。

 

よくリハビリ職はマッサージや、体操をする人とごっちゃに扱われがちです。

 

そういった状況も、

リハビリの計画についてお話しするようになり、

方向性を患者さんと共有しやすくなりました。

 

患者さんは、

自分がどうなっているのか、

どうなれる可能性があるのか、

それがわかれば、リハビリへの意欲もあがります。

 

最初の関わり方を変える事で、その後が大きく変わる経験をしました。

 

ただ、ひとつ注意点があります。

 

「予後の説明」はリハビリ職のすることではありません。

それは医師のおこなうことです。

あくまで一般論としての「計画」を、リハビリ職として伝える事が大切です。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

IAIR関西支部認定インストラクター

認定理学療法士(地域理学療法分野)

岡澤 頼宏

 

PS:計画の説明をしようとすると、どうすれば相手の身体に変化が与えられるか知っておかないとできません。

そのための技術はこちらで体験する事ができますよ。

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